【ミャンマービジネス】ミャンマーのインターネット活用の2つの弱点と注意事項

この記事は、ミャンマーでこれからビジネスをする人や、現地でビジネスを行なっている経営者・広報担当者向けに知っておきたいマーケティング情報として
ミャンマーでのSNS活用の弱点と、注意事項があります。

主な弱点は、

・顧客リストがなく、リピートに繋がりにくい

・facebookによる規制

の2点です。

それぞれ弱点の解説と、その注意事項・打開策をまとめました。

1、顧客リストがなく、リピートに繋がりにくい

前回の記事では、ミャンマー国内で最も使われている「facebook」を活用したマーケティングの成功事例や活用方法について紹介しました。

ミャンマーで何かしらのビジネスをするならfacebookページが必須です。

このフローで新規顧客の集客やアプローチは可能ですが、
ミャンマーのビジネスの弱点として、店舗側から「既存顧客」への通知手段が少ないことです。

既存顧客へのアプローチがなければずーっと新規集客をし続けなければならず、新規集客をするための広告費が常に発生します。

売上=単価×顧客数(新規+既存)

です。

顧客数の新規を増やしながら、既存顧客数や販売単価も伸ばしていくことで売上を上げることができます。

ですので、オンラインで売上を上げる場合、既存顧客へのアプローチも重要な要素の1つです。

しかし、ミャンマーには、日本のようにLINE公式やメルマガなど、
既存のお客さんにクーポンや新商品のお知らせなど配信されるシステムがありません。

前回もお伝えしたようにテレグラムがLINE公式に代わる機能を持ちますが
国民全体としての利用頻度が少ないのでまだまだ活用は難しいでしょう、、。

facebookページは、お店側から投稿は何度でもでき、顧客との接触頻度も増やすことはできますが、
facebookページのアルゴリズム的に、フォロワーの10%くらいしかリーチされず、フォロワー全員に知らせる機能が弱いのが惜しいところです。

日本の場合、新商品や新サービスのお知らせなどが、メルマガやLINE公式から配信されることがありますよね。

その機能がミャンマーでは一般的ではありません。ごく一部でテレグラムでの配信があるくらいです。

また、facebookメッセンジャーで個別でお知らせを配信する、はたまにあります。

既存顧客にアプローチできるようなツールがあれば、
リピート客を増やす&客単価を上げる施策などできそうなのになあ・・・と感じてます。

facebookは規制が厳しいので、facebook以外のSNSが良いと思いますが、
国民に使われていないSNSではアプローチしにくいので考えどころです。

今の所は、テレグラムでの顧客リスト作成はリスクヘッジにもなると考えています。

2、facebookによる規制と複数メディア活用

上でも書いているように、facebook一本でビジネスをするリスクは

・既存顧客へのアプローチがしにくい
=客単価が上がらない

・facebookが国内では禁止

の2点あります。

「既存顧客へのアプローチがしにくい」

は上で書いた通りです。

2点目、facebook規制に関して。

ミャンマーではfacebookが中国と同様に規制されています。

それでもfacebookが社会インフラのようになっているのでしばらくは廃れることはないと考えています。

しかし、国軍からの規制だけでなく、facebook社の規制も多くあります。

・1日の上限メッセージ数
→スパム行為と思われるため、一度に多くのメッセージは配信できない

・情報統制
→書いてはいけない内容は消されてしまう。

・アルゴリズムの評価
→facebook社に好かれないアカウントはアルゴリズムが低く、リーチされない

このあたりは、自社でコントロールができずただ対策をするしかありません。

しかし、最悪の場合、アカウント凍結されたりアカウントごと消されたりします。

その場合、せっかく広告費をかけて集めたフォロワー数も無くなります。

「無料だし、アカウントを作り直せば良い」
も一理ありますが、

フォロワーをまたゼロから集め直すのはよっぽどのインフルエンサーや人気者でない限り至難の技です・・・。

アカウントが凍結されないように対策をしながら情報発信をするのももちろんですが、
もし万が一、アカウントがなくなっても良いように、
メールアドレスや電話番号の取得で

・見込み顧客リスト
・既存顧客リスト

など、売り上げに貢献しそうな顧客の情報は事前に取得をしておくことを勧めています。

・日本人が対象の場合はメルマガやLINE@
・ミャンマー人が対象の場合は、テレグラムなど

facebookがなくても見込み顧客や既存顧客に対してのアプローチができる手段(顧客リスト)を持っておくと、
何か起こっても売上に大きく左右することは少なくなります。

また、顧客にとっても、facebookページがなくなることで

「必要な情報にアクセスできない・・・・」

「もう一度購入したいのにページがない・・・」

と困ってしまいます。

さらに、リスクヘッジとしてfacebook以外のSNSでもフォロワーを集めておくこともお勧めします。

今は、facebookとインスタグラム を併用する企業も増えました。

新しい顧客を集めるための複数SNSというよりも、リスクヘッジとしての複数SNSメディアが必要です。

最初から複数SNSを運用することは難しいですが、
1つやり方が確立できたら、2つ目のSNSメディアへ・・・
という風に、横展開させていく考え方を持っておくと情勢や外部環境にコントロールされることも少なくなります。

インスタグラムの場合は、19万人のフォロワーを持つミャンマー人インフルエンサーもいらっしゃるくらいなので、
若いミャンマー人の間では発信は少なくても「インスタアカウントは持っている」という層も多いのではないでしょうか。

ミャンマーで集客・販売等を行う広報担当の方はぜひ、

「アカウントがなくなってしまった!」

「顧客にリーチができなくなってしまった!」

と慌てる前に、

facebook以外の運用や、顧客リストの管理も視野に入れて運用することをお勧めします。