【外国人材採用のハードルを乗り越える】ミャンマー人材採用の具体的手順とは?

1、外国人採用の悩みとは?

現在、日本における働き手の不足が課題となっている中、外国人材を採用することで労働力を確保しようとする日本企業は増加傾向ですが、採用・現場教育にあたっての悩みも多くあります。

第1章では、そのような中小企業にとっての外国人採用に関する最も多い悩みと、それぞれの問題点を取り上げます。
外国人採用に関するリスクやコスト、問題点について理解した上で、自社にとって、最も最適な改善策のアイデアになれば幸いです。

1.1 なぜ外国人材を採用しなければならないのか?労働者不足を解消する必要性

中小企業の人材採用において、最も大きな悩みの一つが労働者不足です。日本の多くの産業分野で人手不足が深刻化しており、特に建設や介護業界、外食産業では深刻な状況となっています。このような中、外国人材の採用は労働者不足解消の一つの手段として注目されています。

例えば、私の知り合いの介護施設では、多くの介護需要がある中、働く人がいないので介護が必要な方の受け入れができなかったり、
働き手がいれば、新しい店舗を開店することができる、など労働者がいない事によって規模を拡大できないという企業も多くあることを知りました。

そのため、企業は外国人材の採用に切り替え、ミャンマー人の特定技能の候補者を採用する事にして、現在入国待ちとなっています。(2023年4月)

労働者不足を解消するためには、外国人材の採用も必要不可欠という時代になりました。しかし、外国人材を採用することには言葉の壁や文化の違いによるトラブルが起こることもあります。そのため、企業側は事前に十分な教育・指導を行うことが必要です。

1.2 外国人材の採用にかかるコストはどの程度か?採用コストや手続き費用について

中小企業が外国人材を採用する場合、採用に関するコストが心配になりますよね。外国人材を採用する際には、一般的にその渡航費や在留資格申請費用、紹介料金は会社側が負担します。

例えば、日本での外国人材の採用には、ビザの種類によって異なる申請費用があります。また、雇用する外国人材の場合は、在留カードの交付費用や健康保険の加入費用などもかかります。

・在留資格申請費用
・入社までの渡航費
・現地人材会社への紹介費用
*その他在留資格によって、負担の有無の違いあり

また、費用面以外にも会社が行うべきことがあります。

・電気・水道・ガスの法人名義による契約
・住居の契約(住居探し)
・通勤手段の確保
・生活オリエンテーション
・家具家電の手配
など

海外から外国人が来る場合、外国人名義で不動産契約などはハードルが高いため、初期の段階から用意をしておく法人が多い傾向があります。

しかし、外国人材を採用することで、労働力が安定するだけでなく、新たなビジネスチャンスを生み出すことができる可能性があります。例えば、海外の顧客とのビジネス拡大や、外国人材が持つ多様な文化や言語のスキルを活用した新商品やサービスの開発が考えられます。

1.3 外国人材を採用する際に起こりうる問題とは?言葉の壁や文化の違いによるトラブル

外国人材を採用する際には、言葉や文化の違いによる問題が起こることがあります。

例えば、日本語で業務指示を出した場合、業務内容を理解しなかったり、指示に従って作業を進められなかったりすることがあります。また、日本のビジネスマナーや文化に不慣れな場合、一般的な生活や社内での意思疎通において問題が発生することがあります。

ある中小企業では、タイから技能実習生を採用したところ、コミュニケーションが円滑に行われず、指示した業務が時間内に終わっていない、ミスが多い、確認作業を怠る、等トラブルが起こりました。

日本に来てすぐの頃は、日本人の日本語に慣れず、業務内容が正確に理解できていなかったり、報告・連絡・相談がうまくできなかったり、仕事の進め方にも問題が生じた会社をいくつか見てきました。

外国人材を採用する際には、言語や文化の違いによる問題が発生するという前提を持って、お互いにわかりやすい言葉で話しかける、業務の説明は現場で身振り手振りを加えながら丁寧に説明をする、など十分な配慮が必要です。

在留資格申請期間が約半年近くありますので、その間にオンライン等を活用して会社独自の言葉や文化の説明を通訳を挟んで講義を行う企業もあります。

特に事前に学習をしてほしい教材を指定したり、専門分野の言葉を学んでもらったり、など入社前にある程度学んで守ることで、入社後にスムーズに現場業務へ移行することができるようになるでしょう。

入社前だけでなく、定期的な面談や語学トレーニング、文化体験、ビジネス研修などを通して、スキルアップしていく必要があります。また、異なる文化や習慣に対する理解を深めるために、人材採用や役職者だけでなく、企業の従業員全体で、企業文化の共有やコミュニケーションの改善を図ることも重要です。

2、悩みを解決する方法

2.1 どのような国籍の人材を採用するか?ミャンマー人材のメリットやデメリットを知る

中小企業の経営者が人材採用に悩むことはよくあることです。さらに、外国人材の採用についても迷うことがあるかもしれません。ここでは、ミャンマー人材を採用する際のメリットとデメリットについてお話しします。

ミャンマー人材のメリットは、まず日本語力が比較的高いことです。親日国で日本への憧れや信頼がとても高い傾向があります。さらに、同じ仏教徒でもあり、価値観も似ているので馴染みやすい人材です。

一方、デメリットとしては、ビザ取得や手続きにおいては煩雑な手続きが必要となることもあります。

ある日本の中小企業が、ミャンマー人材の採用に成功した例があります。ある介護施設では、人材採用に苦労していました。そこで、ミャンマー人の特定技能を採用することを決定し、今では現場に欠かせない人物となっているそうです。元々ミャンマー人は、家族と共に暮らし、祖父母のお世話を日常的に行っています。なので、介護の仕事にはなじみもあり、介護施設において十分な働きをしてくれます。

2.2 外国人材の採用に必要な手続きや書類について。ビザや在留資格の種類や取得方法

外国人材の採用には、ビザや在留資格の種類や取得方法を知る必要があります。

技術・人文・国際業務
一般的に専門職と言われる職業のためのビザ(エンジニア、通訳業務など)
就労期限はありませんが、日本で行う業務内容と現地の卒業学部・現地就業経験に経験があることがビザ発給の条件となります。
<条件>
・就職する職種と同じ系統の大学を卒業していること
・日本語能力試験N2以上を合格

特定技能
政府が定める人材不足が深刻な14業種(宿泊・ビルクリーニング・介護など)に発給が可能。2023年4月現在は最長5年まで在留可能
<条件>
・18歳以上
・日本語能力試験N4以上
・特定技能の専門科目合格

技能実習
政府が定める85職種に対する在留資格。日本国から発展途上国への技能教育を主とした制度
<条件>
・20歳以上
・本国の送り出し機関を経由
・入国後は監理団体による入国後講習が必須

日本で外国人が働くには、働く業種・職種に応じて在留資格を申請します。また、日本だけでなく本国側でも手続きが必要となるケースもあるため、時間に余裕を持った人材採用スケジュールが必要です。

<在留資格申請共通事項>
・在留申請には最低3ヶ月〜9ヶ月
→採用計画を余裕持って行いましょう。
・地域の入国管理局へ申請
・資格外活動は基本的にNG

外国人材を採用するには、ビザや在留資格の種類や取得方法を知る必要があります。在留資格の申請には、行政書士を雇うことでスムーズに手続きを進めることができます。

2.3 言葉の壁や文化の違いを乗り越えるために、コミュニケーション手段の改善策を紹介

コミュニケーションが円滑に行われないことは、外国人材を採用する際の大きな課題の一つです。

例えば、報告など意思疎通が十分にお互いにうまく取れず、仕事においてミスが連発してしまった、ということもあります。そこで、コミュニケーションの改善策として、会社として、継続的に語学研修を提供したり、従業員同士で食事会やピクニックをするなどお互いに交流し合える時間を作ることが大事です。

さらに、相手の文化にも理解を深めることが大切です。北海道の酪農家さんでは、土日は一緒に山登りをしたり、出身の国の食事パーティーを開いたり、一緒に楽しむということを行っています。文化的な違いを楽しみながら理解することで、職場でのコミュニケーションを円滑にしていくことができます。

3、ミャンマー人材を採用するメリット

第3章では、ミャンマー人材を採用することによるメリットについて述べています。コミュニケーションミスや手続きの煩雑さなど、外国人材の受け入れにはとてもハードルが高いことがありますが、外国人材の採用によって得られるメリットもあります。

3.1 優秀な労働力の安定確保。外国人材の採用による労働者不足解消について

これまで述べてきたように、中小企業だけでなく、大企業であっても従業員不足が深刻化し企業存続のリスクの1つになっています。外国人材の採用は、労働者の安定的な採用に大きな役割を果たすことができます。

現在のミャンマーでは2021年2月に起きたクーデターにより多くの優秀な若者が職業を失ったり、就職ができない状況となりました。そのため、優秀な人材ほど、海外で就職を望み、語学を学んでいます。

ミャンマー人を採用するメリットとして、

・大学卒業者を採用できる
・9割が仏教徒のため、日本人と似ている価値観を持つ
・記憶力が高く、日本語の習得能力が高い
・素直で従順な人が多い
・言われたことを正確に行うことができる
・(介護)家族のお世話をすることが一般的なので、介護を日常的に行っている

などのメリットを得ることができます。

これらの特徴を活かすことで、企業は今後も継続的に外国人労働者を受け入れ、安定的に人材を確保していくことができます。

3.2 ミャンマー人材採用による企業の社会的責任について。国際化やダイバーシティ推進によるイメージ向上

ミャンマー人材採用による企業の社会的責任について考えてみましょう。

まず、ミャンマー人材採用による地域社会への貢献が挙げられます。企業が外国人材を採用することで、その地域の経済的・文化的な活性化に繋がります。外国人材がその地域で働くことで、異文化交流やコミュニケーションが生まれ、地域社会の国際化につながります。

次に、ダイバーシティの推進があります。企業が外国人材を採用することで、異なる文化や価値観を持つ人材が集まります。それによって、多様な考え方やアイデアが生まれ、企業の成長やイノベーションにも繋がります。

以上のように、ミャンマー人材採用による企業の社会的責任には、地域社会への貢献などがあります。企業は社会的責任を果たすことで、社会からの信頼を得ることができ、企業価値の向上にもつながります。

【まとめ】

今回の記事では、ミャンマー人材採用による企業の社会的責任についてお伝えしました。企業がミャンマー人材を採用することで、地域社会への貢献やダイバーシティの推進、雇用機会の創出など、多くの社会的価値を生み出すことができます。

さらに、ミャンマー人材は高い語学能力や優しさ、従順さなど、日本で働くための素養があります。

しかし、ミャンマー人材採用には課題もあります。言語や文化の違い、ビザの問題など、さまざまな障壁が存在します。ですが、そのような課題を乗り越えることで、安定的な労働力確保と企業には新たな成長の機会になるのではないでしょうか。