この記事は、ミャンマー人材を「労働者」として採用したい企業や、人材不足に悩む日本企業の採用担当者向けのミャンマー人材情報として、技能実習についてまとめました。今、多くの人材不足に悩む企業が「技能実習」を活用しています。実際はどのような制度なのか?解説します。
技能実習制度とは?
「年間9000人が失踪」
「劣悪な環境」
「賃金未払い」
そういったニュースやイメージが先行してしまい、
「奴隷制度」とも言われることもある技能実習制度、、。
私自身もイメージばかりが先行して、あまり良い印象を持っていないこともありました。
出稼ぎ&日本に行きたいミャンマー人の多くが活用する
「技能実習制度」について紹介します。
技能実習制度は、ミャンマーなど発展途上国の人材に、
技能を習得するために日本企業で働き、
帰国後はその技能を生かして母国の経済発展に貢献してもらう、
という目的の元、始まりました。
「労働」というよりも、研修・教育の要素が強い制度です。
しかし実際には、日本の労働力不足を補うための、外国人労働者の採用制度、となっています。
制度が開始された1993年当初は、
1年目は研修期間で、現場での就労は禁止されていました。
渡日2年目になると、
「研修生」という名目で、就労が可能になりますが
違法残業などが増え、問題視されるようになりました。
その結果、2009年の入管法改正で在留資格としての
「技能実習」が設けられ、研修ではなく、入国当初から
「技能実習」=労働
が可能になりました。
ですので、研修生だから、労働基準法に触れない
という当初のルールではなく、
現在は、日本人労働者と同様に、残業も認められ、
「労働」としての制度となっていきました。
さらに、2017年には技能実習生の保護に関する法律により適正な実習実施のための体制が強化されたり、
2019年の改正により、新たな在留資格「特定技能」での受け入れが可能になったりなど、
今もなお変化し続けている制度です。
しかし、制度の理念と現状の矛盾が大きくなっている制度でもあります。
法律改正など制度上は、発展途上国への技能伝授や、国際貢献であり、
技能実習法にも、
「技能実習は、労働力の需給や調整の手段として行われてはならない」
と明記されています。
しかし、労働力確保の手段としか考えていない日本の企業や、
お金だけ稼げれば良い、という途上国の技能実習生が存在しているのも事実です。
ただ、そういった企業ばかりではなく、技能実習生の採用面接で里親のように気にかけてくれたり、
本気で日本の技術を学びたい、と語る外国人労働者も多く、
悪いニュースばかりではない、というケースも数多く存在しています。
ミャンマーの技能実習制度
ベトナム、フィリピン、ネパール、ミャンマー、など発展途上国の国では
「稼ぐ機会」として技能実習制度を活用して日本に渡航します。
ミャンマーでも、日本で収入を得る手段として、もっとも多い制度の活用が技能実習です。
渡日したい理由は様々です。
・親に仕送りをしたい(7-10万円!)
・家を建てたい
・技術を学びたい
・借金を返したい
・ミャンマーで働く機会がない
・帰国後に給料アップしたい
・日本で働く機会が欲しい
などです。
帰国後のキャリアとしては制度上は、
「同じ職種に就労して、日本のスキルを母国で生かす」
とされますが、実際は異なります。
・日本語の先生
・以前より少し給料の高い仕事
・日本語の仕事
・通訳
・外資企業
・一般企業
など日本で働いた経験を生かす人もいれば全く関係ない企業に勤めることもあります。
2022年2月現在では、特定技能という新しい在留資格も増えているので
技能実習終了後に、母国に帰国せず特定技能として日本滞在を延長する人も多くいます。
今は特に、技能実習制度から特定技能への移行者が多く、その移行をサポートする団体や企業もあります。
職種によっては、10年間日本で勤務することも可能で、永住権を取れる可能性もゼロではありません。
(おそらくまだ実績はありませんが現状の制度上は永住権取得の可能性あり)
そういった形で、技能実習として勤めた後に、
日本で継続して就労をする場合や母国に戻る場合など様々なプランがあります。
ただやはり、一般的には途上国の中でも所得の低い層が活用することが多いので、
まずは、”国のため自分のため”というよりも、親への仕送りや家を建てる!
という金銭的な問題をクリアするために、渡日する実習生が多いのが実情です。